ディレイの“Mix”だけを自動化する ― Jack Antonoffが曲を“呼吸”させるために使う、EchoBoyとFilterFreakの使い方

著名アーティストの使用プラグイン情報
※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。商品を購入いただいた場合、当サイトに紹介料が入ることがありますが、価格はいつもと変わりません。
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Taylor Swift「Out of the Woods」「Midnights」、Lorde「Melodrama」、Lana Del Rey、St. Vincentなど、2010年代以降のポップスの”顔”と言えるサウンドの多くを手がけてきたのがJack Antonoff(Bleachers, fun.のフロントマンでもある)です。

彼のプロダクションを覗くと、実は特別なプラグインをたくさん使っているわけではありません。Pro Tools標準+SoundToys+Wavesという、DTMerなら誰でも手が届く組み合わせが中心です。それでも彼の曲が独特の”揺れ”や”呼吸感”を持つのは、エフェクトのオン/オフや強さそのものをオートメーションで演奏するという発想があるから。この記事では、その考え方を再現可能な手順に落とし込んで紹介します。

(参考:MusicRadar「How to sound like Jack Antonoff」MusicRadar「Jack Antonoff reveals his top 10 vocal plugins」Tape Op「Jack Antonoff: Brooklyn Studio Secrets」 ※すべて英語ソースにつきブラウザの自動翻訳推奨)

Taylor Swift「Out Of The Woods」(1989収録)。AntonoffがDX7と歪ませたMinimoog Voyagerを掛け合わせた楽曲

1. “ディレイのMixだけを自動化する”という発想

Antonoffの代表的なテクニックが、SoundToys EchoBoy(ディレイ)のMix(ドライ/ウェットの比率)ノブそのものをオートメーションで動かすというものです。

具体的な手順はこうです。

  1. ボーカルやシンセのバスにEchoBoyをインサート
  2. Mixノブを0%(完全ドライ)にしたところからスタート
  3. サビの直前など”溜め”を作りたい箇所で、Mixを数小節かけて0%→40%程度までゆっくり上げていく
  4. サビの頭で一気にディレイを切る(Mixを0に戻す)、もしくは逆に一気に開放する

これにより、ディレイが「常にかかっているエフェクト」ではなく「曲の展開そのものを演出する楽器」として機能します。MusicRadarの解説記事では、これを「手動で描いたポンピングエフェクトのような効果」と表現しています。

同じ発想はコーラスやエコーにも応用されており、ボーカルバスやインストゥルメントバス全体に薄くかけて実験的に音を作り込むのも彼の定番の手法とのことです。

2. “極端”の使い分け ― FilterFreakとCrystallizer

Antonoffのリバーブ/ディレイ選びで面白いのは、「普通に使うプラグイン」と「壊すために使うプラグイン」を明確に分けている点です。

  • 通常のリバーブ:Waves Renaissance Reverb、Valhalla Plate
  • 「極端な効果」を出したいとき:SoundToys FilterFreak、Crystallizer(グラニュラー・ピッチディレイ)

FilterFreakはビートシンクしたフィルタースイープやレゾナンス系の”うねり”を作るのに使い、Crystallizerは音を”引き伸ばして残す”効果として、リバーブ・ディレイの延長線上にあるもう一段先の空間処理として使い分けているとのことです(Mixdown Magazine「Gear Rundown: Jack Antonoff」より)。

DTMerが自分の曲に応用するなら、まずは「Aメロ・サビは通常のリバーブ、ブリッジや間奏の1回だけCrystallizerを差す」くらいの控えめな配分から試すと、Antonoffらしい”ここぞ”の使い方に近づけます。

3. ボーカルスタックを”人間離れ”させる ― Morphoder & VocalSynth

Taylor Swift「Midnights」期のインタビューでAntonoffが明かしているのが、ボーカルスタック(重ねどり)を作る際のWaves MorphoderとiZotope VocalSynthの使用です。

  • 高域を削る目的でSoundToys FilterFreakを使う
  • ロボット的・電子的な質感を足したいバッキングボーカルにVocalSynthのVocoderモジュールを薄くかける

普通のダブリングと違い、「人間の声だけれど少し機械的な響きが混じっている」独特のバッキングを作る手法として紹介されています(MusicRadar)。全開でかけるとやりすぎになるため、Mixを10〜20%程度に抑えて「気配」レベルで混ぜるのがポイントです。

公式情報

紹介したプラグインの公式サイト・価格情報はこちらです(価格は変動する場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください)。

上記のうちRock oN Line eStoreで取り扱いのある製品は、下記から購入いただけます(SoundToys・Valhalla Plateは現在国内代理店での取り扱いがないため公式サイトのみのご案内です)。

Waves Renaissance Maxx

Waves Renaissance Maxx

販売元:Rock oN Company(Renaissance Reverb収録)

Rock oNで購入する

iZotope VOCAL SYNTH 2

iZotope VOCAL SYNTH 2

販売元:Rock oN Company

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